最近腰が痛いんだけど、運動不足かな?
ウォーキングが良いって聞いた事があるけど本当?
どれくらい歩いたらいいの?
こういった疑問にお答えします。
本記事の信頼性
この記事を書いた人:加藤 敏也(理学療法士)
普段は理学療法士として働いており、今年で10年目となります。
理学療法士とは患者さんのリハビリをする仕事であり、主な治療の分野は、整形外科・脳血管疾患です。
これまで、腰痛に悩む患者さんを何人も診てきており、アドバイスや治療等を行ってきました。
今回は、腰痛に関する基本的な知識からウォーキングの効果までを、これまで勉強してきた知識や、実際の経験などを交えながら書いていきますので、参考にしていただけたらと思います。
ウォーキングは腰痛に効果的
ウォーキングは腰痛にとても有効です。
なぜならば、腰痛の原因のおよそ8割は運動不足や生活習慣によるもの。
ウォーキングは運動不足解消はもちろん、足腰、体幹、肩周りなど全身を鍛える事ができるとても良いトレーニングです。
腰痛の種類
腰痛は大きく分けて以下の2種類に分類されます。
①特異的腰痛:ヘルニアや骨折など、痛みを引き起こす原因がはっきりとしている腰痛
→医師の指示に従い、治療や運動を進める必要があります。
②非特異的腰痛:運動不足や肥満といった、生活習慣的な要因によって生じる腰痛
→骨や神経に異常がある訳ではないので病院で治療する必要はなく、ウォーキングや減量などで症状を改善できる。
実は、世の中の腰痛の約8割が②のタイプです。
実際、腰痛の相談を受けていた患者さんに対し、1人でも出来る運動プログラムをアドバイスしたところ、
「ラクになった!」
という声を多くいただいています。
ウォーキングが腰痛に効果的な理由
人間は姿勢を保つ為、主に3つの大きな筋肉が背骨を支えています。それが
腹筋・背筋・大殿筋です。
この3つがしっかりと機能する事で、正しい姿勢を保つ事ができるのです。
しかし運動不足だとこれらの筋肉が衰えてしまいます。
すると、姿勢が悪くなることで腰回りの筋肉の負担が増し、痛みが出てしまうのです。
正しい姿勢を保つのに重要な
腹筋・背筋・大殿筋
ウォーキングはこれらの筋肉を無理なく鍛えられるため、腰痛に効果的です。
痛い時は筋トレよりウォーキング
「筋トレでも鍛えられるのでは?」
と思う方もいると思います。
しかし、すでに腰を痛めている場合は、腰に負荷がかかるためオススメできません。
(予防であれば筋トレでも問題ありません)
痛みを気にして適切なフォームや負荷を設定できないケースは危険です。
いつでも誰でも気軽にスタートでき、負荷を自分で決められるウォーキングが、最初の一歩としてオススメです。
ウォーキングの様々なメリット
- 無理なく全身運動
- 血行促進
- 生活習慣病予防
- 新陳代謝アップ
- 気分転換
など、腰痛以外にも良い事ずくめですね。
正しいウォーキングのやり方
姿勢
せっかくウォーキングを始めても、姿勢が悪いと逆効果になる可能性があります。
正しい姿勢についてお伝えします。
小股・腕は自然に振る・少しゆっくり歩く
ダイエット目的であれば、
「大股・腕を大きく振る・速歩き」
なのですが、腰痛改善や健康目的であれば上の方法が効果的です。
適切な距離・時間
歩く時間は、15〜30分を目安に毎日コツコツと続けましょう。
長すぎても短すぎてもダメ。
慣れてきたら時間を延ばすのも良いですが、最大でも60分以内としましょう。
膝や腰への負担が増えてしまい、逆効果となってしまいます。
また、歩き過ぎて筋肉痛や疲れが取れないという理由で、継続できなくては意味がありません。
※特に肥満の方は注意
60分以上歩くと食欲を増進させるストレスホルモンが分泌されてしまい、体が脂肪を蓄えようと、食欲旺盛になってしまいます。
また、「駅までの通勤を歩きにしてみようかな」という場合は、革靴などで歩くと靴擦れを起こす可能性があるので、気を付けてください。
理想はスポーツウェアにウォーキングシューズです。
ウォーキングで腰痛が悪化したら病院へ
ウォーキングの頻度やフォームの歪みなど、様々な原因から腰痛が悪化してしまう可能性はゼロではありません。
通常の筋肉痛以上の痛みを感じたり、以前より腰痛が強くなった場合はすぐに病院へ行って、診察を受けましょう。
荷物を持つ時の注意点
最後にオススメの荷物の持ち方について解説します。
両手に分散
いつも同じ側の手で荷物を持っていると、左右の筋肉のバランスが崩れ、腰痛が起きやすくなります。
なるべく左右均等にしましょう。
リュックを使用する
リュックは左右のバランスが良く、腰への負担が少ない為、特に重い荷物を持つ時に最適です。
ショルダーバックを斜めがけ
肩にかけるだけだと、左右のバランスが崩れるうえ、重心が偏って腰のゆがみに繋がってしまいます。
斜めがけにすると重さが分散され、腰への負担が軽減されます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
- 腹筋・背筋・大殿筋の衰え→姿勢悪化→腰回りの負担増→痛み
- ウォーキングはそれらの筋肉を無理なく鍛える事ができる
- 正しい方法で毎日コツコツ続ける事が大事
- 悪化したらすぐに病院へ
腰の痛みというのは、日常生活に大きく影響するものです。
ぜひセルフケアをしっかり行って、快適な毎日を過ごしてください。
今すでに腰に痛みを感じている方
腰は痛くなくても、運動不足、肥満の方
ウォーキングをオススメします!
それでは!