歩いているとすぐに足裏が疲れてくる
「かかとから歩いた方がいい」って聞いたことあるけど、なんでだろう?
疲れない歩き方が知りたい!
こんな疑問にお答えします。
この記事を書いた人:加藤 敏也(理学療法士)
普段は理学療法士として働いており、今年で10年目となります。
理学療法士とは患者さんのリハビリをする仕事であり、主な治療の分野は、整形外科・脳血管疾患です。
そして、そのどちらの分野にも共通する”歩行”という動作は、理学療法士が最も得意とする分野であり、これまで数多くの方の歩行観察・リハビリ・指導をさせてもらいました。
この記事では、足の裏が疲れやすくなっている原因と、その改善方法を解説していきますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
【歩き方】足がすぐ疲れる原因と対策
歩いていて足がすぐ疲れてしまう人は
「足の裏のアーチが破綻している」
「かかとから地面についていない」
これらが主な原因です。
今回はこの足のアーチをうまく活用する歩き方と、改善する簡単なセルフケアの方法もご紹介します。
足アーチの役割と疲れの原因
人間の足には3つのアーチがあるのをご存知でしょうか?
内側のアーチは土踏まずと呼ばれているところです。
外側と横アーチは、外見からはあまりわかりません。
ピンとこないかもしれませんが、この3つのアーチがとても重要な役割を果たしています。
これらのアーチの役割は
- 歩行時にバネとして働き、推進力を生み出す
- 足に荷重が加わった際に地面からの衝撃を吸収し、足首・膝・腰などへの負担を軽減するクッション
アーチが破綻(扁平足など)していると、クッションやバネの役割が失われている為、
疲れやすいや歩きにくい
と言った症状が出ます。
- 歩き回るとすぐ、足の裏が疲れる
- 内くるぶしの下辺りから土踏まずにかけて痛む
- 長く立っていると足の内側からふくらはぎが疲れる
こういった症状が出ている場合はアーチが低くなっている可能性があります。
アーチ破綻の原因は指?
アーチを支えているのは、足裏の筋肉・腱・靭帯です。
その為、加齢による足裏の筋力低下や、腱・靭帯が弱くなる事で破綻が起きます。
そしてもう1つ、加齢の他に重要な原因があります。
それが「歩行時に足指をうまく使えていない事による筋力低下」です。
足指の筋力はアーチの形成に大きく関わっています。
足指の筋力低下
↓
アーチ破綻
↓
クッション・バネ機能の低下
↓
疲れ・痛み
と繋がっていきます。
現代は昔と比べ、裸足で歩く事が少なくなっています。
加えて、靴の性能が良くなっている事や、路面の整備化が影響し、足指の力が衰えやすくなっているのです。
その他、足指の力が衰える事で起きる事は
- バランスを崩す要因
- 無意識に間違った筋肉を使う
- 膝や腰への負担が増える
このように、足指の筋力が落ちると全身に悪い影響が出てしまいます。
足指をうまく使う歩き方とは?
靴の進化により、足指に力を入れなくても歩く事ができるようになったため、指先を使えていない人が増えました。
そこで今回は、指をうまく使うポイントをお伝えします。
それは重心移動です。
①かかとから地面につき、重心が足裏の中央やや外側を通るのを意識する。
↓
②小指の付け根から③親指の付け根に移動させ、ここで親指にグッと力を入れ踏み込む。
↓
④重心が親指の先まできたら、つま先で地面を軽く蹴り上げる。
靴の選び方にもポイントがあります。
つま先部分が固かったり、幅が狭くなっている靴は、指の動きを妨げてしまいます。
5本の指が重ならず、しっかりと広げて踏み込める靴を選びましょう。
裸足で歩くのもオススメ
裸足歩行は、足指で直接地面と掴む動作を繰り返す事から、指の力が向上します。
外を裸足で歩くのは難しいですが、家の中だけでも裸足で歩くと良いでしょう。
アーチ形成や足指にオススメのストレッチ・筋トレ5つ
1、アキレス腱伸ばし
2、足裏でボール転がし
→足首周囲や足裏の筋肉・靭帯をストレッチする事で柔軟性を出し、安定性を高めます。
3、タオル寄せ
→足の筋肉を鍛えてアーチのバネの作用を強化。
(1、2、3のやり方が動画内で紹介されています)
4、かかと上げ
アーチ形成で重要な筋肉を鍛える事ができます。
5、足指じゃんけん
アーチ破綻の予防・改善。動作時のバランス能力向上が期待できます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アーチや足指の筋力など、おそらくあまり聞いたことのない話だったと思います。
ですが、人間の体において非常に重要な部位であり、その機能低下が全身に影響を及ぼすという事が分かっていただけたかと思います。
・足指の筋力低下はアーチの破綻を招く
・アーチの破綻は、荷重時の衝撃をそのまま体に伝えてしまい、疲労や痛みの原因となる
このことを覚えていただき、ぜひ今日から、足の指を意識した歩行に切り替えていきましょう。
それでは。