「熱中症に気をつけて!ってよく聞くけど、具体的に何に気をつければいいの?」
「外でもマスクって外さないほうがいい?」
「コロナ禍だから運動中でもマスク外しちゃダメだよね?」
こういった悩みにお答えします。
熱中症を防ぐポイントは大きく3つあります。
- 暑さを避ける
- 水分補給
- 暑熱順化
これらに気をつければ、コロナ禍でも熱中症を防ぐことができます。
そして無理にマスク着用にこだわらず、適宜マスクは外してOKです。
環境省でも、夏期の気温・湿度が高い状況では熱中症のリスクが高くなる恐れがあるので、
「屋外で人と十分な距離(2m以上)が取れる場合は適宜マスクを外しましょう」
という注意喚起がされています。
ではひとつずつ詳しく解説していきます。
本記事の信頼性
この記事を書いている僕はトレーナー歴8年。 自分自身も35kgダイエットした経験があり、ダイエットに悩んでいる方へのアドバイスを得意としています。
熱中症とは?
まず「熱中症」とはどんな状態のことを指すのか?簡単に知っておきましょう。
熱中症とは
「体温上昇と脱水により、さまざまな病態を引き起こす状態」
のこと。
場合によっては死に至ることもある、怖い病態です。
さらに昨今のマスク着用により、熱中症のリスクを高めることが危惧されています。
主な原因
- 環境(気温、湿度、輻射熱、気流など)
- カラダ(体調、性別、年齢、暑熱順化の程度など)
- 行動(活動強度、持続時間、休憩など)
この3つが関係していて、さまざまな場面で起こる可能性があります。
主な症状
代表的な症状は4つ。
①熱失神:暑さにより皮膚への血流増加が続くと、脳への血流が減少し、一過性の意識喪失が起こることがある。
②熱けいれん:脱水によって血液中の塩分濃度が低下すると、痛みを伴う筋肉のけいれんが起こる。
③熱疲労:さらに脱水が進むと、頭痛、吐き気、めまい、などの症状が起こる。(体温は40℃以下)
④熱射病:さらに脱水と血液の循環不全が起こると、発汗できなくなり、体温が40℃を超える。脳や重要臓器の機能障害が起き、意識障害が発生する。
どの症状かによって、対処法も変わってきます。
特に④の状態では自分自身で体温を下げることができない危険な状態。
なので外部からの冷却が必要になります。
【熱中症対策①】暑さを避ける
熱中症は命に関わりますが「体温上昇」と「脱水」に気を付けることで、予防ができます。
(参考:環境省 熱中症環境保健マニュアル2018)
体温上昇を防ぐために1番効果的なのは「暑さを避ける」というシンプルなもの。
その中でも工夫できる3つの要素をご紹介します。
対策1ー1:行動の工夫
暑さを避けるためには下記のような行動をとりましょう。
- 暑い日は決して無理をしない
- 日陰を選んで歩く
- 涼しい場所に避難する
- 適宜休憩し頑張らない
- 天気予報を参考に、暑い日や時間を避けて外出する
当たり前のことばかりですが、体温上昇を防ぐためにしっかり意識したいですね。
対策1−2:住まいの工夫
住環境にも工夫できる点はたくさんあります。
- 向かい合う窓を開けて、風通しをよくする
- 窓から差し込む日光をさえぎる
- エアコンを利用する
- 夕方に打ち水をする
- 外部の熱を遮断する
暑い日には我慢せずエアコンを利用することが大事。
同マニュアルでは、エアコンを利用して室温を「28℃」を目安に調整することを推奨しています。
対策1−3:衣服の工夫
服によっても体温の上昇度合いは変わってきます。
- ゆったりとした服装にする
- えり元を緩めて通気する
- 吸水・速乾素材や軽・涼スーツなどを活用する
- 輻射熱を吸収する「黒色系」の素材を避ける
- 日傘や帽子を使う
この5つに気をつけてみましょう。
【熱中症対策②】水分補給
「体温上昇を避ける」の次に大事なことは「脱水」を抑えることです。
暑い日は知らず知らずのうちに汗をかいているので、こまめに水分と塩分を補給しましょう。
水分補給の目安
食事などに含まれる水分以外で、およそ1.2リットルが目安とされています。
ただし、運動などで大量に汗をかいた場合は、水だけを飲み続けると「体液濃度」が薄まってしまいます。
すると自発性脱水という、逆に水分を体から排出してしまう作用が働きます。
なので運動時は少し塩分を含んだ飲み物を飲みましょう。
スポーツ飲料などは塩分濃度0.1~0.2%ほどなので、運動時にはおすすめの飲料です。
【熱中症対策③】暑熱順化
暑熱順化とは「カラダが暑さに慣れること」をいいます。
暑さに慣れて汗をかきやすくなることで、体温の上昇を防いでくれます。
運動や入浴が効果的
日常生活の中で運動や入浴を積極的に行い、汗をかき、暑さに慣れることが「暑熱順化」のコツです。
具体的には
- ウォーキング30分
- ジョギング15分
- 筋トレやストレッチング
- 湯船に入る入浴
などが推奨されています。
人によりますが、暑熱順化には数日から2週間ほどかかるので、暑くなる前からの事前対策がおすすめです。
スポーツ時の熱中症予防
運動中の熱中症予防については
①暑いときの無理な運動は自己のもとなので、適宜休憩をとり、適切な水分補給を心がけること。
②熱中症事故は「急に暑くなるとき」に多く発生するので、軽い運動にして数日かけて体を暑さに慣らすこと。
③運動によって失われた水分、塩分をこまめに補給すること。
④薄着スタイルで運動すること
⑤体調の悪い時は無理に運動しないこと
この5箇条が推奨されています。
参考(スポーツ活動中の熱中症予防5か条)
また、体温上昇を防ぐためにアイスバスやアイスパックを使って体を冷やす「身体外部冷却」と、冷たい飲み物を飲む「身体内部冷却」が効果的。
状況によって使い分けましょう。
参考(日本スポーツ協会 スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック)
熱中症リスクの高い人への声かけを
熱中症の多くは「熱中症弱者」と考えられる、高齢者の屋内での発症です。
他にも
- 高齢者
- 子ども
- 持病のある方
- 肥満の方
- 障害者
これらの方は熱中症のリスクが高いので、身近にいらっしゃる方は
夜間を含むエアコンの利用
こまめな水分補給
を声かけしてあげてください。
マスクが熱中症リスクを高める
こちらの資料では
『気温や温度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがある』
とされています。
運動中のマスクは外してOK
「屋外で人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合」
この条件さえ満たしていれば、マスクは外してもいいです。
運動中は心拍数や呼吸数、皮膚温度など体にかかる負担が増すので、
- 適宜マスクを外して休憩すること
- マスクをしていると口渇を感じにくいので、こまめに水分補給をすること
- 外出制限で暑熱順化ができていないことが考えられるので、自宅内での運動量、活動量を増やすこと
これらのことが推奨されています。
コロナ禍での屋内対策
屋内でも熱中症になる可能性はあるので、以下のことに気をつけましょう。
- 室温を28℃以下にたもつ
- 2箇所の窓を5cmほど開けて換気する
- 窓が一つしかない場合、換気扇を利用して空気を循環させる
- 運動時は休憩と水分・塩分補給を忘れずに行う
換気をしつつエアコンをかけるのは効率が悪いですが、感染対策と熱中症対策の両立のためには仕方がないですね。
まとめ
熱中症の原因と主な症状、熱中症を防ぐ3つのポイントについて解説しました。
また、コロナ禍における「マスク着用」についても、現在の時点でわかっている最適な対処法をお答えしました。
適切な予防をして、熱中症になる人が一人でも減ることを願っています。
参考になれば幸いです。